インターネットも「メディア」です

このブログで今年からテーマのひとつに加えた「メディア・リテラシー」ですが、そもそも、私がなぜ「メディア・リテラシー」なるものに興味を抱いたかといいますと、とある飲み会で元上司の方に聞かれた話がきっかけでした。

子供向けにケータイとかインターネットの使い方を教える(というビジネス)はどうか、というような話だったと思います。私はそのとき、なるほど、それは面白そうなテーマだな、と思ったのです。

ただ、私は学校の先生ではないですし、正直に言えば、どちらかというと子供相手は苦手です(学生時代、塾講師のアルバイトをしていましたが、子供の相手をするのは本当に苦労しました)。そこで思ったのが子供たちの「親」はどうなんだろう、ということです。ケータイやインターネットは、親が子供のときには存在しなかった概念です。

メディアというと、報道機関や出版社が発するものだけを考えがちですが、ケータイやパソコンを通じてアクセスしているインターネット自体もまた「メディア」なのです。しかもテレビメディアや出版メディアとはかなり異質なメディアです。

親たちは子供が接しているメディアについて、実はよくわからないし、知りたいのではないかと。そしてそれをひもとくヒントが「メディア・リテラシー」にあるのではないかと思ったのです。

危険を感じるメディアがそこにあると、そのメディアを遮断することを考えがちです。
しかし、統制国家でない限りは、遮断は完全にはできないものです。表向き遮断することにより、そのメディアの情報は公には存在しないものとされますから、その情報の存在だけでなく、危険性も周知されることがありません。

私の解釈では、メディア・リテラシーとは、そういったメディアの情報から目を背けるのではなく、むしろその情報について適切に判断することによって、危険を避けるための能力でもあると思っています。

玉石混交といわれるインターネットに接するときも、メディア・リテラシーの知識はきっと役に立つ。
私はそう思いました。

ニュースは事件を選ぶ

ちょっと前のことになりますが、一時、飲酒運転による死亡事故がニュースメディアで大きくクローズアップされたことがありました。皆さんもご記憶に新しいところではないでしょうか。そのころは、ニュース番組でも連日のように飲酒運転の死亡事故のニュースが報じられていたような気がしますね。

年が明けて、この1ヶ月くらいの間に皆さんはニュースを見ていて、飲酒運転の死亡事故のニュースをどのくらい見た記憶があるでしょうか。たまには見かけることがあると思いますが、メディアで騒がれていた頃と比べるとあまり見かけなくなったと思いませんか。

これは、何を意味しているのでしょうか。

飲酒運転が社会問題化したことによって、社会全体の飲酒運転が減り、おのずと飲酒運転事故の件数も減った、だからニュースで見なくなった、という可能性も確かにあるでしょう。

でも、本当にそうなのでしょうか。

ニュース番組の放送時間は当然ながら無限ではなく、1回あたりの放送時間には限りがあります。全国ネットの放送局なら、日本全国に取材網があるので、ニュースになりそうな事件はかなり多くつかんでいるはずですが、放送時間には限りがありますので、できるだけニュースとして価値の高い(視聴者の関心を引きそうな)ものを取り上げようとする意図がどうしてもはたらきます。
飲酒運転が社会問題化していた時期には、それまでであればニュースとしての価値があまりなかったような飲酒運転の事件が、社会的な注目を集めていることでニュースとしての価値が高くなり、優先的にニュースに取り上げられる、というようなことが起きているのです。

このようにメディアは個々の報道においては「客観的な事実」を報道していたとしても、どのニュースを選ぶか、という判断に主観的な価値観を含めることで、世論に対して恣意的で大きな影響力を行使することもできてしまうのです。

「メディア・リテラシー」という言葉の意味

昨日のエントリーで「メディア・リテラシー」という言葉をとりあげたものの、それがどういう意味の言葉なのかを全く書いていませんでした。

ということで、本日のエントリーではそこからまず書いてみたいと思います。といっても不勉強な私の表現では心許ないので、私が去年読んだ書籍から引用してみます。
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メディア・リテラシー

当ブログでは、あまり時事的な話題については扱っていませんでしたが、今回の「納豆」にまつわる騒動に関しては、「メディア・リテラシー」というものについて改めて考えさせられるものでした。

私自身、メディア・リテラシーという言葉をきちんと知ったのは、去年のことなんですが、以来、メディア・リテラシーに興味を持ち、何冊かの本を読んだりしています。

このたび、当ブログでもカテゴリーに「メディア・リテラシー」を追加し、これについての話題も少しずつ提供していきたいと思っています。